会話とスピーチの違い
本当のことを言えないスピーチ
会話はお互いに意思を交換できるところにメリットがあり、原則は会話を用いたコミュニケーションを進めていくべきです。しかしながら、会話は一対一から、どんなに多くても10人以内でのコミュニケーションが望ましいと考えられます。大多数同士、または一対大多数の場合は、会話は逆に全く機能しなくと言っても過言ではありません。
一対大多数で最も代表的な例は、大統領や総理大臣のスピーチでしょう。彼らは目の前の聴衆や、テレビカメラを通じた先に国民を見ながらスピーチで訴えかけます。そう言ったスピーチの利点はもちろん一度に多数に考えを伝えれることですが、逆にデメリットももちろんあります。
スピーチで発した言葉がそれを聞いた人間の心に響くかどうかは、その人間が置かれている境遇や思考をきちんと理解しているかどうかに大きく依存します。つまり、子どもの養育費を含めた家庭環境で困っている人や、収入のないお年寄りに向けて「誰もが公平に納税できる消費税を拡大します」と言っても全く響きません。逆に、経費を切り詰め何とか売上を伸ばしている企業に対して「法人税率を上げます」と言ってもとても困惑してしまいます。
これは全く逆の立場で考えると、企業などからは「公平に徴収される消費税は大歓迎」となりますし、家庭からは「儲かっている企業からはどんどん税金を徴収して欲しい」となるわけです。スピーチにより考えを伝える場合は、必ずこういった二面性を踏まえて語られることを忘れてはいけません。
スピーチの真意を考える
もちろん、聴衆の前で語られるスピーチの内容は推敲に推敲を重ね、あらゆる局面を想定して内容が練り上げラているます。つまり、上記の反発や同意が起こることはもちろん想定内で、その反発や同意のあとにどういった筋書きを描けるかがスピーチをする人間、ここでは政治家にとって非常に重要となるのです。
われわれも国民一人ひとりも、もちろんその言葉の一語一語をきちんと汲み取って自分なりに解釈をする必要はありますが、言葉の裏に隠された真意をきちんと見定めることも大切です。そしてきちんと民意(選挙)という形で反映することが、我々の基本的な役割となるのです。